Subsidy

AI研修・AI導入に使える、助成金と補助金(2026年度・2027年度の見込み)

名古屋の株式会社E.G.Tが、国・愛知県・名古屋市の公式の資料をもとにまとめました(2026年10月30日時点)。

Summary

まず、結論から

どれも審査があり、後払いです。申請するのは、御社です。

  • AI研修には、助成金厚生労働省の「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」が使えます。中小企業は、研修費の75%と、賃金助成(1人1時間1,000円)の対象です。2027年3月31日までの制度です。
  • AIエージェント開発・システム開発には、補助金人手不足を補うシステムには「中小企業省力化投資補助金(一般型)」、新しい製品・事業のためのシステムには「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」が使えます。
  • AIコンサル・導入支援は、ツールやシステムの導入とセットでここで紹介する国の補助金は、コンサルだけでは申請できません。AIのツールやシステムを入れるときに、導入のためのコンサル・研修・設定の費用を、一緒に申請する形で対象になります(デジタル化・AI導入補助金の「役務」、省力化投資補助金・新事業進出補助金の「専門家経費」)。
  • 2027年度は、新しい補助金ができ、研修の助成金は形が変わる見込み経済産業省は、AIの活用と省力化を一体で支援する新しい補助金「省力化・デジタル化・AI投資補助金」(3,746億円・新規)の予算を求めています。研修の助成金は、コースが組み替えられ、一般訓練では助成率が45%(賃上げ等で60%)になる案です(今は75%)。決まるのは、12月の国の予算案です。

By purpose

目的別の、早見表

目的2026年度に使える制度2027年度の見込み(概算要求)
AI研修人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース):研修費の75%+賃金助成1,000円人材開発支援助成金(訓練実施コース・一般訓練):45%(賃上げ等で60%)+賃金助成800円(1,000円)の案
AIコンサル・導入支援デジタル化・AI導入補助金(登録されたITツールとセットのコンサル・研修)/省力化投資補助金・新事業進出補助金の専門家経費省力化・デジタル化・AI投資補助金(コンサルの扱いは未公表)
AIエージェント開発・システム開発中小企業省力化投資補助金(一般型)/新事業進出・ものづくり商業サービス補助金省力化・デジタル化・AI投資補助金(システム構築等も支援と記載)/新事業進出・ものづくり商業サービス補助事業
AIツールの導入デジタル化・AI導入補助金省力化・デジタル化・AI投資補助金

2027年度の欄は、2026年8月31日に公表された国の概算要求の内容です。確定は、12月の国の予算案です。

FY2026

2026年度の、制度の一覧

制度(所管)使える費用割合・上限(中小企業)次の締切
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)
厚生労働省
研修費・研修中の賃金研修費の75%+賃金助成1人1時間1,000円随時(研修開始の6か月前〜1か月前に計画届)。2027年3月31日まで
中小企業省力化投資補助金(一般型)
経済産業省・中小企業庁
人手不足を補うオーダーメイドの設備・システム1/2(特例で2/3)。上限750万〜8,000万円(従業員数による)第9回:11月上旬に公募開始、12月下旬に締切の予定
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
経済産業省・中小企業庁
新しい製品・事業のための設備・システム構築1/2(特例で2/3)。上限750万〜7,000万円(枠と従業員数による)第1回は10月30日に締切。次回は未公表
デジタル化・AI導入補助金
経済産業省・中小企業庁
登録されたITツール・導入研修・導入コンサルなど1/2(条件で2/3)。通常枠は5万〜450万円7次:12月1日17時に締切

2026年10月30日時点。「特例」「条件」は、賃上げなどの要件を満たした場合です。補助金の上限は、特例を除いた額です。

For training

AI研修に使う、助成金

  • 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)新規事業の立ち上げなど、事業展開に伴って新しい分野で必要になる知識・技能の研修が対象です。DXに伴う研修も含まれます。
  • 2027年3月31日までの、期間限定の制度このコースは、令和4〜8年度の期間限定の助成金です。
  • E.G.Tの研修で、助成金を活用した会社約250社

助成率と、1人あたりの上限

項目中小企業大企業
研修費の助成率75%60%
賃金助成(1人1時間)1,000円500円
1人あたりの上限(10〜100時間未満)30万円20万円
1人あたりの上限(100〜200時間未満)40万円25万円
1人あたりの上限(200時間以上)50万円30万円
1事業所の上限(1年度)1億円1億円

厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内」(詳細版・令和8年8月3日版)より。eラーニング・通信制の研修は、研修費の助成だけで、賃金助成はありません。

使うための、主な条件

  • 受講するのは、雇用保険に入っている社員です。
  • 研修は10時間以上です(移動や休憩の時間は含めません)。
  • 1人ひとりが、研修時間の8割以上を受講します。
  • 計画届は、研修開始の6か月前から1か月前までに、労働局へ出します。
  • 支給申請は、研修が終わった翌日から2か月以内に行います。
  • 受講は、1人1年度3回までです(2026年8月3日以降に計画届を出したeラーニングは1回まで)。

2026年度と、2027年度の負担の違い

15名で受講した場合研修費の助成賃金助成実質負担
2026年度(75%)1,035,000円165,000円180,000円(1人12,000円)
2027年度の見込み(一般訓練 45%)621,000円132,000円627,000円(1人41,800円)
2027年度の見込み(賃上げ等の条件を満たした場合 60%)828,000円165,000円387,000円(1人25,800円)

実務コース(1開催138万円・11時間)を15名で受講した場合の試算です。2027年度は、国が予算を求めている段階の内容(一般訓練)で計算しています。確定は、12月の国の予算案です。人数ごとの2026年度の目安は、生成AI研修のページでご覧いただけます。

※中小企業の要件に当てはまる場合の試算です。労働局の審査があり、支給が保証されるものではありません。

For consulting

AIコンサル・導入支援に使える制度

ここで紹介する国の補助金は、コンサルだけでは申請できません。ITツールやシステムの導入とセットになった経費として対象になります。

デジタル化・AI導入補助金(役務)

登録されたITツールとセットになった、「導入・活用コンサルティング」「導入設定・マニュアル作成・導入研修」「保守サポート」が対象の経費です。申請は、事務局に登録された支援事業者と一緒に行います。

省力化投資補助金・新事業進出補助金(専門家経費)

どちらも、対象の経費に「専門家経費」が入っています。導入に要る専門家への費用が対象になりえます。細かい条件と上限は、公募要領で確かめます。

業務改善助成金・働き方改革推進支援助成金(厚生労働省)

どちらも、コンサルティングが対象の取組に入っています。業務改善助成金は、事業場内の最低賃金の引き上げが条件、働き方改革推進支援助成金は、労働時間の短縮などが目的の助成金です。

参考:浜松市の、AIエージェント導入支援事業費補助金

AIエージェントの導入に伴うコンサル費(導入支援・要件定義、業務フローの設計・改善、ベンダーの導入支援)が対象の経費に入っています。補助率は1/2以内、上限500万円・下限50万円。2026年度の申請は、5月29日で締め切られています。

E.G.Tの、1つの業務からAIを組み込む伴走支援は、生成AI伴走支援のページをご覧ください。

For development

AIエージェント開発・システム開発に使う、補助金

申請するのは、御社です。公募の期間と要件は回ごとに変わるため、申請の前に、各事務局の公募要領でお確かめください。

中小企業省力化投資補助金(一般型)

人手不足の解消に向けて、オーダーメイドの設備やシステムを導入する事業計画が対象です。対象の経費は、機械装置・システム構築費(必須)、専門家経費、クラウドサービス利用費、外注費などです。中小企業の補助率は1/2(特例で2/3)、上限は従業員数により750万〜8,000万円です。次の第9回は、11月上旬に公募開始、12月上旬に受付開始、12月下旬に締切の予定です。受注・見積などの手作業を減らすAIエージェントは、この補助金の対象になりうる例です。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金

新しい製品・サービスの開発や、新しい市場への進出のための、設備投資やシステム構築が対象です。公募要領には、システムを導入するだけで、新製品・新サービスの開発を伴わないものは対象外と書かれています。社内の業務の効率化だけを目的にしたAIの導入は、対象になりません。補助率は1/2(特例で2/3)。第1回の公募は10月30日に締め切られ、次回の日程はまだ公表されていません。

デジタル化・AI導入補助金

事務局に登録された支援事業者の、登録されたITツールを導入する場合が対象です。補助率は1/2(条件で2/3)、通常枠は5万〜450万円です。支援事業者とITツールの新しい登録は、2026年12月9日17時が最終締切です。

契約・発注は、交付決定のあとに

補助金は、交付決定の通知を待ってから契約・発注します。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の公募要領には、交付決定日より前に契約(発注を含む)した経費は、補助の対象にならないと書かれています。

E.G.Tは、開発の見積書・仕様書など、開発側の資料をご用意します。進め方と料金は、AIエージェント開発のページをご覧ください。

FY2027 outlook

2027年度(令和9年度)の見込み

2026年8月31日に公表された、国の令和9年度概算要求の内容です。確定は、12月の国の予算案です。公表されたら、このページを書き直します。

省力化・デジタル化・AI投資補助金(3,746億円・新規)

経済産業省・中小企業庁の令和9年度の概算要求にある、新しい補助金です。正式な事業名は「中小企業省力化・デジタル化・AI投資支援事業」。省力化の設備の導入と、デジタル技術の活用を、一体で支援するとしています。資料には、業務効率化やDXに向けたAIの活用、ITツールの導入、個別の現場や事業内容に合わせた設備導入・システム構築などを支援すると書かれています。補助率は1/2等です。上限額・公募の時期・コンサルや研修の扱いは、まだ公表されていません。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助事業(2,200億円)

技術的に新しい製品・サービスの開発、新しい市場への進出、海外市場の開拓に向けた設備投資などを支援します。補助率は1/2・2/3。売上高10億円を目指す「10億宣言」の実現を支援する仕組みも示されています。

人材開発支援助成金の組み替え(602億円)

厚生労働省は、人材開発支援助成金を602億円(前年度539億円)に拡充する要求をしています。コースを「訓練実施コース(一般訓練・特定訓練・団体訓練)」と「休暇制度導入コース」に組み替える案です。
コース(案)研修費の助成率(中小企業)賃金助成(1人1時間)上限
一般訓練45%(賃上げ等で60%)800円(1,000円)1事業所・1年度1,000万円
特定訓練(高度デジタル人材など)60%1,000円1,500万円
参考:今の事業展開等リスキリング支援コース75%(2027年3月31日まで)1,000円1事業所・1年度1億円

2026年8月の概算要求の案です。今の事業展開等リスキリング支援コースの名前は、要求の資料にありません。一般訓練には、研修のあとに設備を導入し、賃金を上げた場合の設備投資加算(50%・中小企業)も示されています。

業務改善助成金(543億円)・働き方改革推進支援助成金(101億円)

業務改善助成金は、前年度の21億円から大きく増やす要求で、助成率の区分を、事業場内の最低賃金が「1,100円未満なら4/5、1,100円以上なら3/4」に見直す案や、申請期間の拡充が検討されています。働き方改革推進支援助成金は、前年度と同じ101億円で、補助率は原則3/4です。

中小企業とAIの提供会社を、つなぐ事業

経済産業省は、中小企業と、AIサービスの提供者、商工会議所・税理士・金融機関などの支援者のネットワークを全国につくり、AIの導入を伴走支援する「地域AXネットワーク事業」を求めています(中小企業1,000社が目標)。補助金ではなく、国が民間に委託する事業です。総務省も、地域の民間企業の初期投資を自治体を通して補助する「地域AX特別枠(仮称)」(43.2億円)を求めています。

補正予算は

2026年6月に成立した令和8年度の補正予算(第1号)には、中小企業のAI・デジタル化の補助金は入っていません。2027年度の予算案は、例年どおり12月に出る見込みです。

Aichi / Nagoya

愛知県・名古屋市の補助金

国・愛知県・名古屋市の3つの層で考えます。2027年度の募集が公表されたら、このページに書き足します。

  • 愛知県中小企業デジタル化・DX促進補助金2026年度の募集は、5月12日で終了しました。
  • 名古屋市中小企業デジタル活用支援補助金2026年度の受付は、通常枠・賃上げ枠が6月1日、ロボット枠が9月30日で終了しました。補助率は1/2以内、上限は通常枠100万円・賃上げ枠150万円・ロボット枠500万円です。申請には、名古屋市新事業支援センターか名古屋商工会議所での、事前の相談が要ります。
  • 国の制度は、愛知県でも同じ人材開発支援助成金の窓口は、愛知労働局です。国の補助金は、全国共通の事務局に申請します。

FAQ

よくあるご質問

AI研修に、補助金は使えますか。
研修に使うのは、主に厚生労働省の助成金(人材開発支援助成金)です。「補助金」とお問い合わせをいただくこともありますが、研修の費用に使うのは、助成金です。補助金で研修が対象になるのは、デジタル化・AI導入補助金で、登録されたITツールとセットになった導入研修などに限られます。
AI研修の助成金の条件は、何ですか。
主な条件は、受講するのが雇用保険に入っている社員であること、研修が10時間以上であること、仕事に直接つながる内容であること、研修開始の6か月前から1か月前までに計画届を出すことです。
AI研修の助成金は、いつまで使えますか。
今の人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)は、2027年3月31日までの制度です。
AI研修の助成金は、個人でも使えますか。
人材開発支援助成金は、社員に研修を受けさせる会社(事業主)が申請する助成金です。個人で受ける研修には使えません。
「助成金で研修が実質無料」は、本当ですか。
助成金を使っても、研修費は無料になりません。厚生労働省も、「訓練経費は無料になりません」と注意を呼びかけています。研修費はいったん全額を支払い、研修のあとに申請して、審査を経て支給されます。
汎用的な生成AI研修も、助成金の対象ですか。
2026年8月3日以降に出す計画届からは、汎用的なプロンプトの作り方だけを学ぶ研修や、DXの概念だけを学ぶ研修は対象外です。担当業務に生成AIを使う、仕事に直接つながる研修は対象です。
生成AIの導入に使える補助金は、ありますか。
人手不足を補うシステムなら中小企業省力化投資補助金、新しい事業のためのシステムなら新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、登録されたITツールならデジタル化・AI導入補助金が使えます。どれも公募の期間があり、審査で採択された会社が受けられます。
AIエージェント開発に使える補助金は、ありますか。
受注・見積などの手作業を減らすAIエージェントは、中小企業省力化投資補助金(一般型)の対象になりうる例です。新しい製品・サービスのためのAIなら、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金も候補です。どちらも審査があり、要件は公募要領で確かめます。
AIコンサルに、補助金・助成金は使えますか。
ここで紹介する国の補助金は、コンサルだけでは申請できません。ITツールやシステムの導入とセットになった経費として対象になります。浜松市のように、AIエージェントの導入コンサルを対象にした自治体の補助金もあります。
省力化・デジタル化・AI投資補助金とは、何ですか。
経済産業省・中小企業庁が、2027年度(令和9年度)に向けて要求している新しい補助金です(3,746億円・新規)。省力化の設備と、デジタル技術・AIの活用を一体で支援し、システム構築なども支援すると書かれています。補助率は1/2等で、確定は12月の国の予算案です。
2027年度、AI研修の助成金はどうなりますか。
人材開発支援助成金を、「訓練実施コース」などに組み替える案が出ています。一般訓練は、中小企業で研修費の45%(賃上げ等の条件で60%)、賃金助成800円(1,000円)の案です。確定は、12月の国の予算案です。
補助金は、契約・発注したあとの費用にも使えますか。
交付決定の前に契約・発注した費用は、対象になりません(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の公募要領より)。交付決定の通知を待ってから契約・発注します。

Sources

情報の時点と、出典

2026年10月30日時点の情報です。制度は、年度や公募の回ごとに変わります。

助成金・補助金を使った進め方も、30分の無料相談で一緒に整理します。

無料相談を申し込む